西条農業高校(愛媛県西条市福武)の食農科学科3年の岩崎華奈さん(17)と亀井悠さん(17)が規格外のトマトを麺やつゆなどに使ったラーメンの開発に挑んでいる。
 「ダイエットや美容にもいいんよ」(岩崎さん)「皮と種の感じが苦手…」(亀井さん)とトマト好きと嫌いの2人。誰でもおいしく食べられる一品を目指して改良と試食を繰り返している。
 同校のトマトは多いときで収穫量の2割ほどが形が悪かったり、サイズが小さすぎたりして規格外になる。しかし、実習助教諭の金田治夫さん(39)は「小さい方が甘いなど、規格外を使わないのはもったいない」と話す。
 そんな「おいしい」野菜を有効活用しようと、2人は4月から授業の課題研究として商品作りを開始。2015年度の3年生が作った麺はトマトとトマトジュースを練り込んだが、2人はジュースよりも熟した実を入れる方が赤みが出ることを見つけた。麺の硬さや実の酸味に気を付けながら、夏に食べやすいつけ麺タイプのラーメンを作った。
 かめばかむほどトマトの風味が広がるオレンジ色の麺に、同校が育てるキュウリや甘みが強いミニトマトなどをトッピング。ミキサーにかけたトマトとめんつゆを合わせたつゆにつけて食べる。14日の校内イベントで中学生が試食し「トマトは苦手だがいける」「少し食べられるようになった」と好評だった。
 今後はイベントなどでの販売を目指して改良を重ねていく。